アトピー性皮膚炎 よんだ論文を1つ解釈してみたけど長くなりすぎてごめんなさい

未分類

目次

どうも〜毎日お疲れ様です〜
まだまだ、毎日毎日暑いですね💦

今日も、もう既に暑そうな予感のする外の日差しです

(在宅ワークが少しうらやましい)

今日は、アトピー性皮膚炎とプロテオミクスというたんぱく質などの解析の関連についてのメモとなります

純度100%で自分用な内容となりまして、PV=0なんて書いていた翌日にこんなの書いたら

そら読まれへんわ

と言われても仕方ないですね

自身の頭の整理目的なところもありまして、毎回方向性バラバラな内容で申し訳ないです

アトピー性皮膚炎

  • ・多くは子供の時に発症(20歳以降発症もあり)
  • ・繰り返す湿疹性病変と痒みが強いのが特徴
  • ・Th2、2型の免疫細胞グループが主に関わっていそう

症状に関与すると思われるサイトカインなどのメカニズムが少しずつ治療に良い効果のある点まで解明されてきている部分もあり、デュピクセント®というこれまでの治療選択肢になかった注射薬も近年登場しましたね

内因性、外因性とか、フィラグリン遺伝子変異などなどの話もありますが、

皮膚科に来ている患者さんで、この病気で困っている方は必ずいると言っても良いかもしれません

この病気は、わかってきたことも、わかっていないこともまだまだ多く、

やや、マニアックかもしれませんが、疾患とタンパク質との関連に興味があり読んだ論文の理解を試みました(一番したに参考文献を記載します)

おおまかな内容

アトピー性皮膚炎(以下AD)の角層にはGalectinー7(以下Gal7)というタンパク質が、AD患者ではない方より高発現しています
でも、あんま働きはよくわかってなかったみたいです

そこで、今回AD患者さんとAD様のモデルになりそうなケラチノサイト(表皮の細胞)でのGal7の働きを調べていました

皮膚の病変と血清中の発現を評価し、モデル皮膚でのいくつかの免疫状態を再現した環境でのGal7を評価していたようです

結果として、IL /IL13刺激により誘導されたGal7のケラチノサイトからの放出は、ADの方の皮膚バリア障害を反映しているようです

つまり、皮膚症状強いと血液中でのGal7の値あがる?=重症度合いや病気の勢いのマーカーとなりそうということでしょうか??

この論文をよむにあたっての前提情報

・ADは、角質層のバリア機能低下が関与、その一部にフィラグリン(FLG)変異が関わる

・ADではTh2サイトカインであるIL4,13が関わっていそうであるが、ケラチノサイトでのFLG発現を邪魔して皮膚バリアの障害、皮膚症状きたしている可能性がありそう

・皮膚バリアの障害は、悪さをしうる抗原が表皮から侵入しやすくなり、炎症性サイトカインや抗菌ペプチドの産生を刺激します(TSLPやIL-33、βディフェンシンなどなど)

この産生されるものの中でもIL-33やβディフェンシンなどはアラーミンといわれたりするみたいです
このアラーミン 時々ADを学ぶとでてくるのですが、何って説明できませんでした いうなら
アラーミン:炎症をきたす経路で死んだ細胞などから放出される、炎症はじまっているよー、すすめるよーというサイン物質という所でしょうか?

ガレクチンて何? 

Galectin is a soluble unglycosylated lectin which its carbohydrate recognition domains bind with high affinity to β-galactosides.11,12
Among various types of galectin, prototypic Galectin-7 (Gal-7) ishighly expressed in the intercellular space, cytoplasm and nucleus of epidermal keratinocytes.13 Importantly, Gal-7 is involved in the homeostasis of epidermal keratinocytes, such as proliferation, differentiation, apoptosis, and cell-to-cell or cell-to-extracellular matrix (ECM) adhesion.14 In addition, Gal-7 serves as a target molecule of skin resident bacteria, Finegoldia magna, since β-galactosides on its cell wall have an affinity to Gal-7.15

一番下に記載 PMID32474952

上記のようにありましたが、いくつもあるたんぱく質で、その中のGal-7というのが皮膚では表皮の細胞の人生を整えるのに関わっているようです

冒頭でも書きましたが、AD患者さんではGal-7が角質で多くなっているのがこれまでにはわかっているようです

でも働きはよくわかっとらんということでした 

そこで、筆者らは今回

  1. Gal-7はどこにて
  2. Gal-7の変化と関係のありそうなパラメーターは何で
  3. モデル皮膚でのGal-7の変化が実際どんなものか

というのを調べていると思って読みました(英訳、解釈があっていればですが、、、)

Gal-7はADのバリア障害と重症度と相関しそう

image
PMID: 32474952

上記が1つ目のFigureの引用です

PMID: 32474952

・LC/MS/MSという方法のプロテオーム解析で、Gal-7がAD群で(健常群より)高いことを確認し、

・AD群と健常群でのGal-7発現部位の違いを免疫染色で示していました(AD群でのみ、ケラチノサイト間で沢山だった)

・また、血清でのGal-7もAD群でより高く、TEWL(皮膚バリア障害の指標になる)と重症度の悪化と正の相関があるようであった

それでは、AD患者さんと健常者とのGal-7の違いはどのように生じるのでしょうか??

Gal-7はIL-4/IL-13の刺激で死んだ表皮ケラチノサイトから放出?

image
一番下の参考文献より引用 PMID: 32474952

次に培養したヒトのケラチノサイト(ADじゃないヒト)を使い、

実際に関わっていそうといわれているIL-4/IL-13とAD関連の他種のサイトカインを加えた場合ででのGal-7の発現をみていました

結果として、mRNA:遺伝子レベルでの発現は、どの条件(サイトカイン添加群・非添加群)でもかわらないが、IL-4/IL-13投与群のみ実際のタンパクレベルでの発現が高く、

死んだ細胞からよく放出されるとのことだったが、IL-4/13の投与群では比較的壊死細胞の割合が多くなる

つまり、IL-4/13投与で死細胞が生じうる 

ことをフローサイトメトリーで確認していました

また、3Dモデルの表皮をつくり、IL-4/IL-13で刺激すると、AD患者さんでの結果と同じく、表皮細胞間でのGal-7の沈着を示していました

➡これらから、IL-4/IL-13の刺激で、ケラチノサイトが死に、Gal-7が放出されていそうなことが示されました

さて、IL-4/IL-13の刺激が関わってきそうだとして、その後のカスケードがどうなっているかを次に確認しておりました

Gal-7放出までの道のり

image
下記参考文献より引用 PMID: 32474952

IL-4/IL-13は受容体に結合すると、最終的にStat3,Stat6を活性化する

らしいんですが、じゃあ実際はこいつらの活性化でGal-7が放出されるのかどうかを確認していました

遺伝子の発現を抑制するsiRNAを用いて、STAT3や6を抑制しているときのGal-7発現量を比較し、結果として、健常ヒト培養ケラチノサイトの場合では、Gal-7放出はStat6が関わっていそうと推測していました

こうして、

何らかの刺激➡IL-4/IL-13の刺激➡Stat6リン酸化➡➡ケラチノサイト壊死➡Gal-7放出

となりそうです

おおまか流れはここまでの実験でつかんでいそうです

(すごいなぁと思います こんな風に計画たてて自分が実験できるものなのでしょうか )

そして実際放出されたGal-7の機能が何かを調べておりました

Gal7ないとIL-4/IL-13刺激で湿疹ひどくなる??

image
下記参考文献より引用 PMID: 32474952

・Gal-7が発現しないようにしたモデル表皮をつくりだし、ケラチノサイト同士の接着分子の発現に差が出るか調べるも➡なさそう

・次に形態学的な変化はないかを確認➡Gal-7がないと、表皮の深い層での細胞間の接着が粗雑なよう
・また、Gal-7ができないようにしたモデルケラチノサイトにIL-4/IL-13で刺激すると、湿疹性変化をきたしたようです

➡そこで、Gal-7があることで、細胞間の接着(今回はE-カドヘリンが関与するもの)が安定するのでは、と仮説を立てるも、寄与しなさそうな結果であったとのことだった

Gal-7はADのパラメーターに?

・Gal-7は既存の臨床重症度マーカーであったTARC,LDH,TEWL、SCORADと正の相関がありそう!

➡血清Gal-7も臨床重症度マーカーたりうるかも

・IL-4/IL-13が直接Gal-7を誘導することはしめせなかったが、カスケードの1ポイントとなりうるStat6を介してケラチノサイト内からのGal-7放出に関わっていそうなことを示した

・IL-4/IL-13はFLG、ロリクリン、インボルクリン、ケラチン1(KRT1)、KRT10、E-カドヘリン、DSG1、DSC1またはCLDN1などの表皮ケラチノサイトの分化、細胞接着またはタイトジャンクション分子の発現を阻害することができるが、が、今回はGal-7とこれらの関係は不明??

➡このあたりが更なる研究を求められそう

今回、皮膚バリア障害は反映していそうなことは言えそうな結果!!

いえ、ほんともう長くなってすみませんでした、、

ほんとごめんなさい 長くなりすぎました

・既存のサイトカインとたんぱく質の関与から、仮説をたて、
・臨床評価項目と値の相関がないかプロテオーム解析を行い
・モデル皮膚をつくって、用いて再現性があるか、関わりうるサイトカインの有無で発現量の変化があるかを調べ(発現に至る経路の検索といいましょうか??)
・機能をしらべている

印象でした 

どこからきて、どこにいって、何するの?

というところを考えの軸にすると自分の実験を考える際にも良いのかな

と思いました(幼稚な感想かもしれません。。。)

本当にADではいろんなサイトカインや要因が関わっていそうで

疾患理解の大きな1本道はどこなのでしょうか

これからも、もっと勉強したいです

これは、さすがにここまでよまれないでしょうが、ここまでお付き合いいただきましたら

大変申し訳ありませんでした!!!!

もう本当にまとまらない文章ですみません。。

本当にありがとうございます

今後ともよろしくお願いいたします

【参考文献】
Protective role of Galectin-7 for skin barrier impairment in atopic dermatitis.
Umayahara T, Shimauchi T, Iwasaki M, Sakabe JI, Aoshima M, Nakazawa S, Yatagai T, Yamaguchi H, Phadungsaksawasdi P, Kurihara K, Tokura Y.Clin Exp Allergy. 2020 May 31. doi: 10.1111/cea.13672. Online ahead of print.PMID: 32474952

コメント

タイトルとURLをコピーしました